以前ブログで開催情報を紹介した特別展「皇室の名宝と秋田」ですが、昨日7/8、秋田県横手市の秋田県立近代美術館にて開幕しました!
私も初日に鑑賞してきたのですが、前売り券900円の料金でこんなに充足した時を過ごせていいの?というのがまず思った感想です。
そのくらい、素晴らしい展覧会でした^^
今回のブログでは、印象に残った前期展示品を章別にご紹介します。
前期展示で印象に残った美術工芸品
第1章 皇室ゆかりの江戸美術
岩佐又兵衛「をくり(小栗判官絵巻)巻7」
巨大な暴れ馬から逃げ惑う人々の姿を描いた絵巻物で、着物、屋敷の装飾が繊細に色彩豊かに描かれていて、しばらく見入ってしまいました。
その華やかさとは対照的に、人々の怯える表情はとてもリアル。
人々の視線の先にいる暴れ馬は目がギョロっとしていて、その恐ろしい姿にギョッとしました^^;
第2章 近代絵画の名品
荒木寛畝「孔雀図」
この作品は前期展示で最も感動した作品です!
明治時代に描かれた非常に大きな日本画で、孔雀の堂々とした姿に圧倒されます。
個人的な感想ですが、力強く発展する明治日本の姿を象徴するような作品だと思いました。
第3章 平福百穗と金鈴社
平福百穗「玉柏」
作者は現在の秋田県仙北市出身の平福百穂(ひらふくひゃくすい)。香淳皇后から昭和天皇に贈られた作品です。
昭和天皇のお印である若竹が色鮮やかに生い茂る中、仲睦まじそうにしているキジバトの夫婦がむくむくしていて、とってもかわいらしい!
こんなに素晴らしい作品を描く日本画家が秋田県にいたことを今回知ることができてよかったです。
第4章 秋田ゆかりの美術工芸品
東山魁夷「平成度 悠紀地方風俗歌屏風」右隻
こちらは平成の大嘗祭後の祝宴で飾られた屏風です(大嘗祭とは即位後初めて行われる新嘗祭のこと)。
前期で展示されているのは屏風の右隻で、描かれているのは春の角館の桜と夏の男鹿半島の海。
角館の桜を見たことがある夫によれば、角館の桜の雰囲気がよく出ているんだそう。
後期展示では屏風の左隻が展示予定で、抱返り渓谷の紅葉と冬の雪景色が描かれているとか。こちらも楽しみです。
第5章 近代日本工芸の精華
高村光雲「文使」
高村光太郎の父、高村光雲の作品で、明治33年の大正天皇御成婚の際の献上品です。
古い時代の役人が文書を届ける姿の木彫で、表情、服、文書箱の質感が見事に表現されています。
この作品が印象に残った理由はもう一つ。
展覧会のグッズ売り場には今回の展示品のキーホルダーのガシャポンがあるのですが、2回やって2回ともこの「文使」を引いたのです^^;
後期展示に行ったら、もう一度挑戦しよう。
通期展示「明治14年 明治天皇巡幸写真」
第2章のスペースでは、「明治14年 明治天皇巡幸写真」がパネル展示されていました(通期展示)。
明治天皇の写真がもしかして観られる!?と思ったのですが、やはりご自身が写真に写るのが嫌いだったということもあり、明治天皇の写真はなしでした^^;
巡幸先の大館、能代、八郎潟、秋田、大仙、横手、湯沢の写真が展示されており、自然豊かな田んぼや畑の様子が写っていました。
秋田県は戊辰戦争の激戦地。復興を遂げた風景に明治天皇も安堵されたのではないかと思います。
また、第5章の展示スペースでは、昭和天皇の弟宮の秩父宮殿下と高松宮殿下の秋田御訪問時のお写真も展示されています。
皇室と秋田のご縁を学べる貴重な展示でした^^
後期展示はあの伊藤若冲がやって来る!
8/5(土)から始まる後期展示では、あの伊藤若冲の作品がやって来ます!
伊藤若冲の「旭日鳳凰図」は本展覧会一番の目玉の作品でしょう。
もちろん後期展示も行きます!後期展示の感想もブログに書くので、またお読みいただければ幸いです^^
前期展示が観られるのは8/2(水)まで。ご興味のある方はぜひ秋田県立近代美術館へ足をお運びください!
- 展覧会 :特別展「皇室の名宝と秋田 ~三の丸尚蔵館 収蔵品展~」
- 観覧料 :一般 1,200円、高・大学生 1,000円、中学生以下 無料
- 開催期間:2023年7月8日(土) ~ 9月3日(日)
- 休場日 :2023年8月3日(木)、4日(金) ※展示替のため
- 開催場所:秋田県立近代美術館(秋田県横手市赤坂字富ヶ沢62-46)
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