先日、近所のスーパーで開催されていた地方物産フェアをのぞいてみたところ、「瀬戸田レモンケーキ島ごころ」という名前のお菓子が目にとまりました。
スーパーの宣伝文句は「G7広島サミット2023で提供」。
先進国の首脳たちが食べたかもしれない味、ちょっと食べてみたいなーとミーハー気分で手に取ってみたところ、これが想像以上に美味しくて驚きました。
香り立つレモンと職人技のジャム

島ごころは、手のひらサイズのかわいらしいお菓子です。
開封してまず驚いたのが、レモンの香りの豊かさ。
心地よい柑橘の香りがふわっと広がり、そのまましばらくリラックスしていたくなるような気分になります。

ひと口食べると、ふわふわのケーキ生地に練り込まれた特製レモンジャムが、甘さ・酸味・ほろ苦さのバランスを絶妙に保ちながら広がっていきます。
このジャムは、果肉ではなく果皮のみを使用しているそうで、果皮には香り成分リモネンが豊富に含まれているとか。
しかも、果皮はすべて手作業で刻まれ、砂糖だけでじっくり煮詰めて仕上げているとのこと。
手間を惜しまない職人技が、この多層的な香りと味わいを生み出しているようです。

国産レモン生産量日本一の産地
島ごころをきっかけに、「瀬戸田」という地名を初めて知った私。
公式サイトを調べてみると、瀬戸田町は広島県尾道市の生口島(いくちじま)にあり、国産レモン生産量日本一を誇る地域であることがわかりました。
この地で昭和初期に始まったレモン栽培は「レモンの谷」と呼ばれるほどに成長したものの、昭和39年の輸入自由化で生産量は急減。
その後、輸入レモンの農薬問題を機に国産の安全性が見直され、地域ぐるみの「レモン増殖運動」が再興への道を切り開いたといいます。
ふと思い出したのが、レモン好きだった母のこと。
料理にレモンの皮を使うのをためらっていた姿が記憶に残っています。
恥ずかしながら、安心して皮ごと食べられるレモンがあることを、今回初めて知りました。
もう一つ思い出したのは、以前ブログに書いた青森県弘前市の伝統野菜「清水森ナンバ」。
こちらも、昭和40年頃から安価な海外産に押されて姿を消しかけたものの、地元農家の手で復活を遂げました。
🧭 参考:【京都から弘前へ】津軽為信が持ち帰った味とは?弘前で400年続く「清水森ナンバ」
瀬戸田のレモンと清水森ナンバ。
どちらも良いものを守ろうとした地域の努力が、今につながっていることが共通しています。
サミットが伝える瀬戸田の味
あらためて「G7広島サミット2023で提供」というスーパーの宣伝文句が気になって調べてみたところ、島ごころはグランドプリンスホテル広島でのコーヒーブレイクで二日間提供されていたそうです。
ラインナップには、もみじまんじゅうや川通り餅など、広島を代表する銘菓も名を連ねていました。
こうした安心安全な素材と丁寧なものづくりが評価されたからこそ、選ばれたのだと思います。
手に取ったきっかけはミーハーな気持ちでしたが、美味しいレモンケーキとの出会いを通じて、地域の歴史まで知ることができたのは、大きな収穫でした。
今回ご紹介した「瀬戸田レモンケーキ 島ごころ」は通信販売でも取り扱いがあります。
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参考資料
<ウェブサイト>