歴史を学ぶ

【漫画で知る先人】弘前市立郷土文学館「マンガ陸羯南 原画展」を振り返る

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2023年夏、弘前市立郷土文学館で開催されたスポット企画展「マンガ陸羯南 原画展」(会期:7月22日~9月24日)を訪れました。
この展示は、郷土の偉人であり明治を代表するジャーナリスト・陸羯南(くが かつなん)を題材とした漫画『マンガ陸羯南』の原画と関連資料を紹介するものです。

文学館入り口には陸羯南の漢詩

展示室に入る前から素敵な演出が始まっています

風雲寂莫池龍志 山海隔離籠鶴憂
(風雲寂莫たり池龍の志 山海隔離す籠鶴の憂)

「国のために働きたい こんなにも強い思いをもっているのに 自分は辺境の地にいる まるで 池の中にいる龍 籠の中にいる鶴 のようだ」

司法省法学校を退学処分となり、青森新聞社を経て北海道紋別の製糖所でフランス語の技術書を翻訳していた頃に詠まれたとされます。

池龍(池の龍)」、「籠鶴(籠の鶴)」という比喩は簡潔ながら非常に美しく明快で、若き日の羯南の志を鮮烈に伝えてくれます。

20代の羯南がすでに「国のために働きたい」と願っていたこと、そして同じように明治の先人たちが「日本を良くしたい」という思いを抱いていたこと。
そうした人々の積み重ねが、今の私たちの暮らしや社会の安定につながっているのだと、改めて感じさせられました。

原画と一次資料が並ぶ展示

陸羯南自ら訪問者をお出迎え

展示室では、漫画家・仁山渓太郎氏による原画と、その場面に関連する一次資料が並んでいました。

特に印象的だったのは、羯南が28歳の時に翻訳した『主権原論』(ジョセフ・ド・メストル著)。
表紙には「陸実」と記されており、まだ本名を名乗っていた頃の仕事が確認できます。

また、原画には「依願退職→辞職」といった修正が色ペンで記されており、原案者や監修者が細部まで注意を払っていることがわかりました。
子どもたちに誤解なく歴史を伝えるための工夫が随所に感じられ、作品の重みを一層強く実感しました。

バッジのプレゼントと驚きの入館料

左から:マンガに登場するセリフ(富士山登山時)、陸羯南の由来になった漢詩、陸羯南が世話をした正岡子規の残した墓碑

展示を見終えた後、展示室前の陸羯南パネル撮影コーナーで撮影していると、受付の方から「陸羯南バッジ」をいただきました。

何種類かあったんですが、マンガの表紙イラストのものを選びました

複数種類の中から、私はマンガ表紙イラストのものを選択。
こうした心遣いは来館者にとって忘れがたい思い出になります。

さらに驚いたのは観覧料。大人100円、小中学生50円という設定で、充実した展示に加え記念品までもらえるなんて。
気づけば1時間以上滞在しており、「また訪れたい」と感じる施設でした。

なお、今回のスポット企画展のマンガは下記より読むことが可能です↓(陸羯南と検索すれば出てきます)

 

🧭関連記事:

 

 

  • 企画展 :スポット企画展「マンガ陸羯南 原画展」(終了)
  • 観覧料 :小・中学生50円、一般100円
  • 開催期間:2023年7月22日(土) ~ 2023年9月24日(日)
  • 休館日 :年末年始(12月29日~1月3日)、展示替期間(3月22日~3月31日)
  • 開催場所:弘前市立郷土文学館(青森県弘前市大字下白銀町2-1)

 

<参考資料>

弘前市ウェブサイト「弘前市立郷土文学館」(https://www.city.hirosaki.aomori.jp/bungakukan/)

・弘前市立郷土文学館 編集「第39回企画展 陸羯南展」

・ジョゼフ・ド・メストル 著 ほか『主権原論』,博聞社,明18.9. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/789025 (参照 2023-12-11)

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