雑記

【岩手県北上市】香花窯の里山陶芸展

雑記

岩手県北上市の立花地区には、香花窯(こうかがま)という陶芸工房があります。

その香花窯にて今週末、里山陶芸展というイベントが開催されるということで、行ってまいりました。

里山の美しい自然と、窯元の展示販売会を楽しめるイベントでした。

池に浮かぶ青々としたアジサイ

会場は香花窯の敷地内の広い庭園。

奥に見えるのが香花窯、窯の煙突も見えます

池のアジサイや巨大な木の人形(!)など、豊かな自然風景がまず迎えてくれますよ↓

こんなアジサイの楽しみ方は初めて!
このアジサイだけでも訪れる価値あり!
「わが分身」の字が達筆です

この里山陶芸展には「桃源郷へようこそ」という副題がついているんですが、本当にアジサイを始めとした里山の風景が美しい!

香花窯で使われている穴窯も公開しており、周囲には薪となる大量のアカマツが保管されていました↓

10年ほど前に作られたんだそう
皮がついている薪の方が燃えるのに時間がかかって熱が上がりやすいんだそう

ちなみに、これらのアカマツは地元で伐採されたもの。

(北上市周辺では工業団地の造成が盛んなので、その工事中に伐採されたものもあるのかな、なんて思ったり)

香花窯の陶芸サークルの方に説明いただいたんですが、この穴窯の温度は1250度にも達するんだとか。

窯焼きの最中は一日中薪をくべ続け、サークルの会員の方々が交代で担当しているそうです。

特に難しいのは、1200度から1250度まで炉内の温度を上げるとき。なかなかここまで上げるのは難しいそうです。

今年2024年度の窯焼きは10月に予定しており、見学も可能とのこと(予定日は10/10~10/12)。

穴窯の炎はとても美しいそうで、こちらも気になります。

岩手県内の六の窯元が出展

アジサイの池のすぐ近くでは、岩手県内の窯元の展示販売会が行われていました↓

のどかな雰囲気の中、ゆっくりと見て回りました

その出展窯元はこちら↓

  • 香花窯 (北上市)
  • 鍛冶丁焼 (花巻市)
  • 正覚坊窯 (奥州市)
  • 香月窯 (一関市)
  • 高作窯 (北上市)
  • 木工房「他知端和」 (北上市)

今回、私は鍛冶丁焼(かじちょうやき)の陶器を購入しました↓

スープ用の器が欲しいと思っていたところ、鍛冶丁焼のブースにてこちらの器に一目ぼれ。

渦状の模様と釉薬の感じがすごくいい!
取ってがしっかりしていて、持ち上げやすいです
この重なった二つの丸が鍛冶丁焼の印なんだそうです

窯元のご当主曰く、「片口になっているからドレッシングとか納豆作りにも使えますよ」とのこと。

一石二鳥な感じもいい!ということで、即購入を決断しました。

早速本日の夜から使い始めていますが、やっぱり自分が好きで買った器で食べるとテンションが上がりますね♪

鍛冶町焼を再興した鍛冶”丁”焼

この鍛冶丁焼なんですが、戦争で一度途絶えてしまった陶法を再興した窯元さんのようです。

窯元さんからもらった説明書には、以下の内容が記されていました↓

鍛冶町焼は、文化の頃 古舘伊織が花巻市鍛冶町に創業したもので、後 南部藩の焼き物師として諸雑器を造り 明治になり本家及び分家と共に陶業に励んだが 明治末期本家が廃業 残る分家四代目の戦死により戦時中遂に中止した。…(中略)…

現在の鍛冶丁焼は、その陶法の再興を志し、初代阿部勝義が長らく関東の益子焼窯元にて修行し、昭和二十二年石神町・滝ノ沢に開窯したものであります。

出展:「岩手の陶窯 鍛冶丁焼」
花巻市の文化財となっている作品、見てみたい

現在のご当主は阿部勝義氏のご子息の阿部太成氏。

阿部勝義氏が鍛冶町焼を再興するにあたり、「町」という漢字を「丁」の漢字に変えたというお話も聞かせていただけました。

それにしても、鍛冶町焼の最後の後継者が戦死という文章はショッキング…。

当時はきっと同じようなことが全国各地の窯元でも起きていて、そのまま途絶えてしまった陶法もあるんだろうな…。

この穏やかな日々が末永く続いて欲しいものです。

(陶芸展に来て、こんな思いに駆られるとは思いませんでした)

 

この里山陶芸展は明日7月7日(日)まで開催します(開催時間は10時から16時まで)。

自然の豊かさも陶器も楽しめるイベント、おすすめです!

 

  • イベント:里山陶芸展~桃源郷へようこそ~
  • 開催期間:2024年7月6日(土) ~ 7月7日(日)
  • 開催時間:午前10時分~午後5時00分(7日は16時まで)
  • 開催場所:香花窯(岩手県北上市立花28地割158)

コメント

タイトルとURLをコピーしました