最近、クラシック音楽愛好家の方と出会ったことをきっかけに、私も自宅でクラシックを聴くようになりました。
そんなある日、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団によるブラームスのピアノ協奏曲第2番を流しながら、いつものようにコーヒーを淹れていると………
ふと、いつもより香りが豊かに感じられることに気づきました。
クラシックで変わった普段の一杯
ピアノはウラディーミル・アシュケナージ、指揮はベルナルト・ハイティンク。
このCDはクラシック好きの友人に借りたもので、聴くのは初めてでしたが、一度で虜になってしまい、その日から何度も繰り返し聴いています。
私が聴いたのとは別の演奏になりますが、同じブラームスのピアノ協奏曲第2番をYouTubeでも聴くことができます。
バレンボイムとドゥダメルによるブラームスを無料で楽しめるなんて、本当にありがたい時代ですね(出典:DW Classical Music / YouTube)。
このとき合わせて飲んでいたのは、広く流通しているコーヒーのブランドでした。
普段から愛飲している一杯ですが、この日はクラシックの旋律に何か影響を受けたのかのように、まるで喫茶店で淹れたかのような深い香りと味わいを感じました。
クロスモーダル効果という現象

この感覚は何か科学的に説明できるのでは?と思って、ChatGPT先生に尋ねてみました。
すると、「クロスモーダル効果」という現象を紹介してくれました。
クロスモーダル効果とは、視覚・聴覚・味覚といった異なる感覚が相互に影響を及ぼす現象のこと。
たとえば、赤く色付けされた飲み物はイチゴ味と感じやすくなるなど、知覚は単独ではなく、環境や印象に左右されるのだとか。
クラシック音楽のような穏やかで重厚な音楽は、私たちをリラックスさせ、香りや味により意識的になる傾向があります。
そのため、音楽とともに飲むコーヒーが「より美味しく」感じられるのは、自然な反応なんだそうです。
記憶を呼び覚ました「名曲&珈琲ひまわり」
ただ、私にはもうひとつ思い当たることがありました。
どこか懐かしさを感じたその瞬間、思い出されたのは、青森県弘前市にある喫茶店「名曲&珈琲ひまわり」の記憶でした。
この喫茶店はその名の通り、クラシックの名曲が流れる喫茶店で、音量は大きめながらも会話を邪魔しない、絶妙なバランスで流されていました。
レトロで落ち着いた内装、丁寧に淹れられたコーヒー、そして私が初めてミートパイを食べて感動した場所でもあります。
料理もケーキも美味しく、思い出深い場所です。
確かスタンプカードはお店の名前と同じひまわりのような黄色で、あと少しでスタンプがすべて貯まるというところで、青森を離れたんです…ああ、懐かしい。
なお、この喫茶店でブラームスのピアノ協奏曲第2番が流れていたかどうかは定かではありませんが、当時の空気感や音楽の雰囲気が、今回の体験とどこか重なって感じられたのだと思います。
「名曲&珈琲ひまわり」の現在の外観や場所はこちらからご確認いただけます↓
プルースト効果で記憶が喚起される

ChatGPTにこの体験について尋ねてみたところ、「クロスモーダル効果」に加えて、「プルースト効果」も関係しているかもしれない、とのことでした。
プルースト効果とは、特定の香りが過去の記憶や感情を瞬時に呼び起こす心理現象のこと。
名前の由来は、フランスの作家マルセル・プルーストの代表作『失われた時を求めて』に登場する有名な一場面から来ています。
主人公が紅茶に浸したマドレーヌを口にした瞬間、幼少期の記憶が一気によみがえるという描写があり、それを象徴的な例としてこの現象に名付けられました。
つまり、こういうことでしょうか?
- クラシックとコーヒーの香りを同時に楽しむ
→ クロスモーダル効果により、コーヒーがより美味しく感じられた
- より美味しく感じられたコーヒーの香りとクラシックの音色を味わう
→ プルースト効果で、名曲喫茶の思い出がよみがえった
私が感じた豊かな香りと美味しさは、単なるコーヒーの風味だけではなく、音楽の影響も加わった記憶の喚起が重なったものだったのかもしれません。
こういう時間、大事にしていきたいなと思いました^^
最後に、今回私が聴いていたCDをご紹介しておきます。ご参考までに↓