2025年4月7日にNHK青森 NEWS WEBで配信された話題の中から、気になったニュースを備忘録的にまとめました。
なかでも注目は、弘前市の赤羽刀展。
戦後80年という節目に合わせ、長く歴史に埋もれていた刀たちが一堂に展示されるという、貴重な機会です。
2025年4月7日の主な青森ニュース
2025年4月7日の主な青森ニュースは以下の通りです(参考:NHK青森 NEWS WEB)
- 青森 弘前さくらまつりを前に公園内のベンチの塗り替え作業
- SNS型投資詐欺 青森県の60代男性が5000万円被害
- 青森 「充実した学校生活に!」多くの公立小中高校で入学式
- 戦後80年 青森県内の博物館所蔵 「赤羽刀」初めて一堂に
- ヴァンラーレ八戸 栃木SCに1対0で勝利 リーグ9位に
- 青森 黒石市 大雪による農業被害の相談窓口を開設
- 青森 五所川原 夏祭り「立佞武多」テーマの客室完成し披露
- 青森 八戸 「是川縄文館」のボランティアガイドを激励
青森に春が到来したことを感じさせるニュースが多いですね。
「赤羽刀」初の一堂展示が気になる
今回注目したのは、弘前市で始まった赤羽刀展。
戦後に接収された刀剣類が青森の地に戻り展示されるというニュースです。
赤羽刀をめぐる戦後史
そもそも赤羽刀とは何か?
文化庁ホームページの説明を基に、赤羽刀について詳しく述べていきます。
武装解除と「赤羽刀」接収
終戦後、日本は連合国軍によって武装解除されました。
その際、民間にあった刀剣類も含め、大量の武器が接収されます。
これらの刀剣は、東京都北区の赤羽にあった米軍施設に一時集められたことから、後に「赤羽刀」と呼ばれるようになりました。
返還から譲渡・公開へ
接収された刀の中には、美術的価値の高いものも多数含まれていました。
日本の刀剣関係者たちはこれらの保存・返還を求めて奔走し、戦後50年を経た1995年、「接収刀剣類の処理に関する法律」が成立。
これにより、返還や博物館への譲渡が進みました。
青森県内にも、津軽や八戸の刀工が鍛えた刀剣を含む21振が譲与され、そのすべてが今回、弘前で初めて公開されています。
赤羽刀の返還の流れ
赤羽刀の接収~返還~譲渡・公開の一連の流れは以下の通りです。
和暦 | 西暦 | 出来事 |
昭和20 | 1945 | ・8月15日、日本がポツダム宣言を受諾、終戦 ・9月2日、連合国最高司令官より武器引渡し命令、刀剣類など大量に接収 |
昭和22 | 1947 | ・本間順治・佐藤貫一らの尽力で美術的価値のある刀剣の返還が許可される ・12月1日、赤羽に蓄積されていた刀剣が東京国立博物館に搬入される |
昭23 | 1948 | ・2月、千葉・茨城で接収された刀剣約200本が東京国立博物館へ搬入 ・戦後の経緯から接収された刀剣が「赤羽刀」と称されるようになる |
(経過) | ・昭和30年代までに所有者が判明した約1,100本が旧所有者へ返還 ・昭和40年代以降は証拠不十分で返還されるものはなし | |
平成7 | 1995 | ・戦後50年を迎え、「接収刀剣類の処理に関する法律」が成立(議員立法) |
平成8 | 1996 | ・2月1日、法律施行 ・文化庁による返還請求受付開始(対象の刀剣は4,576本) |
平成9 | 1997 | ・8月28日までに674件の請求があり、審査を実施 ・12月17日、7本について旧所有者が確定(約50年ぶりの返還) |
(経過) | ・残った刀剣のうち、3,209本は全国の公立博物館等に無償譲与 | |
平成11 | 1999 | ・文化庁の「赤羽刀の活用推進事業」開始(講習会、展覧会の開催) |
今回の展覧会は平成11年に始まった「赤羽刀の活用推進事業」の流れを汲んだものなのかと思われます。
赤羽刀展の開催内容
今回の展覧会の展示内容と開催概要を確認しておきましょう。
赤羽刀と津軽の名刀
本展覧会では、以下の刀剣が展示されています。
- 青森県内に所在する赤羽刀全21振
- 津軽三刀工の作刀
この中で気になるのは、津軽三刀工の作刀。
「津軽三刀工」という言葉自体、私も今回初めて知ったのですが、以下の三名のことを指すそうです。
- 陸奥大掾橘盛宗
- 相模守国吉
- 奥州津軽住國廣
なお、本展覧会では重要文化財の太刀「太刀 銘 友成作」・「太刀 銘 真守」(高照神社蔵)の展示はないそうです。
この展覧会、津軽の歴史を知る良いきっかけにもなりそうです…が。
予定的にこの春に青森へ行けるかは微妙なところ…正直、すぐにでも見に行きたい展覧会なんですけどね。
こういう機会があることをブログとして残しておきます。
赤羽刀展の開催概要
赤羽刀展の開催概要は以下の通りです。
- 会期: 2025年4月5日(土)~6月22日(日)
- 休館日: 4月21日(月)、5月19日(月)、6月16日(月)
- 開館時間: 9:30~16:30
- 会場: 高岡の森 弘前藩歴史館(青森県弘前市高岡字獅子沢128の112)
- 観覧料:
一般:300円/高校・大学生:150円/小・中学生:100円
※65歳以上の市民、障がい者、留学生などは無料(要証明)
青森の歴史に興味がある方、刀剣が好きな方、戦後史に関心がある方におすすめの展覧会です。
次回も、青森の気になるニュースを気ままにまとめていきます。
参考資料
<ウェブサイト>
- NHK青森放送局 青森 NEWS WEB
- 文化庁ホームページ 「第11章 文化財保護に関連するその他の制度」(https://www.bunka.go.jp/tokei_hakusho_shuppan/hakusho_nenjihokokusho/archive/pdf/93711601_05.pdf)
- 弘前市ホームページ 「令和7年度 企画展1 赤羽刀展」(https://www.city.hirosaki.aomori.jp/takaoka-rekishikan/2025-0405-kikakuten1.html)
- 弘前市ホームページ 「短刀 銘 奥州津軽住國廣」(https://www.city.hirosaki.aomori.jp/takaoka-rekishikan/2025-0405-kikakuten1.html)