昨年9月、岩手県北上市に初出店した「ユニバース」。
本部は青森県八戸市に本社を構えているこのスーパー、青森に住んでいた頃から大変お世話になっていました。
そのため、今回の北上出店はとても嬉しい出来事でした。
特に嬉しかったのは、青森産の食材や調味料が並ぶコーナーがあり、その中でも一番気に入っているのが青森名物の「いがめんち」が売られていることです。
いがめんちを求めてユニバースに足を運ぶこともしばしば。
さて、先日もいつものようにユニバースへ行ったところ、予想外の歴史的な発見がありました。
ユニバースの敷地内で、歴史を学ぶ貴重な機会に恵まれたのです。
ユニバース北上花園町店の「いがめんち」
「いがめんち」とは、青森県津軽地域の郷土料理で、ミンチにしたいかげそや細かく刻んだ野菜を小麦粉と混ぜてこね、揚げたお惣菜です。
津軽地方のお惣菜屋や居酒屋でよく見かけますが、店ごとにミンチの具合や味、揚げ方が異なるため、さまざまな種類を試すことが楽しみの一つです。
ユニバース北上花園町店のいがめんちは、いかげそのミンチ具合がしっかりしていて、野菜も細かく刻まれており、食感がなめらかで味もとても優しいです。
子どものおやつにも、食卓にも、おつまみにもぴったりです。
おつまみにするなら、少し醤油を垂らしても美味しいかもしれません。

元々は北上済生会病院があった場所
先日、ユニバースに行った際、正面の駐車場が満車だったため、裏手の駐車場に停めました。
その時、ユニバースの敷地内にひっそりと立てられた看板に気づきました。
その看板には「社会福祉法人 恩賜財団 済生会北上済生会病院 済生会と当院の起り」と書かれており、今ユニバースが建っている場所が移転前の北上済生会病院跡地であることを示していました。
病院の歴史に関する説明が書かれているのだろうと思い、読み始めたところ、驚くべき事実が…。
なんと、済生会は明治天皇によって創設されたとのことです!

済生会とその創設の経緯
看板の内容をざっくりまとめるとこんな感じです↓
済生会の創設
- 明治44年(1911年)、明治天皇により創設
基金の形成
- 明治天皇から下賜された150万円を基に浄財を募る
- 結果、2400万円が集まる(当時の国家予算の1/20に相当)
医療支援の実施
- 済生会は無料診察券を発行
- 生活困窮者が医療を受けられるようサポート
北上済生会病院の歴史
- 創立と発展
- 昭和3年(1928年)、伊藤治郎助が黒沢尻病院を設立
- 昭和11年(1936年)、伊藤治郎助が黒沢尻病院を済生会に寄付し、北上済生会病院として再出発
北上済生会病院は、地域医療の重要な拠点として長い歴史を誇ってきた、ということですね。
由来となった「済生勅語」の趣旨
「済生会」という名前の由来は、明治天皇の「済生勅語」にあります。
教育勅語だけでなく、勅語は他にも存在していた…私にとって、このこと自体が新たな発見でした。
ちなみに、勅語とは「旧憲法のもとで、天皇が大権に基づいて、他の機関の参与をまたずに、直接に国民に対して発した意思表示」のことを言います。
看板に書かれていた「済生勅語」の趣旨は以下の通りです。
「医療を受けられないで困っている人達に進んで済生(生命を救う)の道を講ずる様に」
明治天皇はご多忙の中、持病に悩まされながらも、困窮している人々の医療支援に心を砕いていたということに、深い感謝の気持ちを抱かずにはいられません。
このような歴史に触れ、改めて明治天皇が「大帝」と呼ばれる所以が理解できました。
裏手の駐車場に停めたおかげで、偶然にもこの貴重な歴史に触れることができました。
回り道も悪くないものだな、と思いました^^
- 購入品 :青森名物いがめんち(167g)
- 税込価格:357円
- 購入場所:ユニバース北上花園町店(岩手県北上市花園町一丁目6番12号)
※上記は2023年6月訪問時点の情報です。