歴史を学ぶ

【秋田県横手市】特別展「皇室の名宝と秋田」(後期展示)

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先日、ブログでご紹介した特別展「皇室の名宝と秋田」

8月5日から後期展示が始まり、再び秋田県横手市の秋田県立近代美術館に行ってきましたよ^^

前回のブログに続き、印象に残った後期展示品を章別にご紹介します。

後期展示で印象に残った美術工芸品

第1章 皇室ゆかりの江戸美術

伊藤若冲「旭日鳳凰図」

特別展の受付前に掲示されたポスター。

じっくりこの絵を眺める方々、かなり多かったです。(かく言う私も2、3分ほど眺めていました)。

雲間から姿を見せた朱色の太陽を背景に佇む二羽の鳳凰

鳳凰は細部まで緻密に描かれていて、特に足と尾羽は圧巻の描写でした。

解説によると、この作品は「明治22年(1889)、明治宮殿竣工のお祝いに京都・西本願寺門主の大谷光尊より献上され」たもの。

この豪華絢爛さ、明治宮殿の竣工のお祝いの献上品に選ばれたことに深く納得しました。

第2章 近代絵画の名品

竹内栖鳳「虎」

三匹の虎が描かれた屏風で、左隻には二匹の虎右隻には寝転がってこちらをじっと見つめる虎が描かれています。

虎の絵というと、威厳があふれていて少し怖い絵が多いように思うんですが、この絵の虎たちは迫力がありつつも、もふもふしていて、どこかかわいらしい。

特に右隻の虎の表情がかわいい^^

開催場所のふるさと村を歩いていると、この右隻の虎ちゃんにときどき遭遇しました。

この作品は昭和3年の即位の礼で京都府から献上されたもの。

左隻には一匹の虎が鋭い歯を見せて歩く様子が描かれているのですが、この威厳漂う雰囲気、新たに即位された昭和天皇のことをイメージしている?

屏風の前には広い空間があるので、遠くから、近くから、様々な角度から鑑賞するのがおすすめですよ^^

第3章 平福百穗と金鈴社

平福百穗「朝露」

作者は現在の秋田県仙北市出身の平福百穂(ひらふくひゃくすい)。宮内省が買い上げた作品です。

秋、朝露が降りるすすきを描いた屏風で、淡い色彩で繊細に描かれた自然情景が美しい作品です。

前期展示の平福百穂の作品では、色鮮やかな色彩で描かれた屏風を見ましたが、同じ作者であることに驚いてしまうくらい、この作品のタッチは優しい。

伊藤若冲の作品を観ていても思うんですが、絵のタッチを使い分ける絵師や画家ってけっこう多いですよね~しかも、どの画風の作品でも傑作を残しているという…。

秋田県仙北市には平福穂庵・百穂父子ゆかりの平福記念美術館という施設があるのですが、今度そこに行ってみようかしら。

第4章 秋田ゆかりの美術工芸品

東山魁夷「平成度 悠紀地方風俗歌屏風」左隻

この作品は、平成の大嘗祭後の祝宴で飾られた屏風(大嘗祭…即位後初めて行われる新嘗祭)です。

前期の展示は右隻(春の角館の桜と夏の男鹿半島の海)で、後期では左隻が展示されています。

描かれているのは、秋の抱返り渓谷と冬の田沢湖

秋の抱返り渓谷、観たことがありますが、かなり雰囲気出ています。

冬の田沢湖は知らないのですが、屏風では穏やかな湖と山々が美しく描かれています。

先日、真夏の田沢湖に行ってきたばかりなもので冬のイメージがわかない…^^;

ちなみに、屏風には窪田章一郎による和歌が書かれています。解説に万葉仮名から直したものが載っていたので、メモしてきました↓

  • 百年を 超ゆる桜木 咲きそろひ 栄えゆく春 角館まち
  • 夏涼し 男鹿の岬の 青波に 穏しく浮ぶ あまた小島は
  • 断崖を もみぢおほひて 輝よふや 水はみどりの 抱返りの谷
  • 新代と この日明けゆく 田沢湖に 仰ぐ駒嶺 雪に真白き

実は、前期展示のときにこの解説に気づかなかったんですよね^^;

この和歌を読んだ上で観たら、また印象が違ったとは思うんですが…惜しいことをしました。

第5章 近代日本工芸の精華

犬張子形ボンボニエール

ボンボニエールとはフランス語で菓子入れのこと。

日本では、御慶事に伴う饗宴の出席者に記念品として配られていました。

手の平サイズの小箱に細かな装飾が施された非常に緻密なボンボニエールに目を奪われました^^

その中で群を抜いてかわいらしかったのは、犬張子形ボンボニエール

上皇陛下が御誕生されたときの御内宴のために作られたものです。

第一印象はかわいい!ですが、菊の御紋の装飾が施されていて、厳かな雰囲気も醸し出しています。

前回に続き、特別展のキーホルダーガシャポンに挑戦したところ、このボンボニエールをゲットしました!

欲しかったものが当たって大満足^^

ちなみに、前回の展示会で二回も引いた「文使」なんですが、今回も当てました^^;

三回も当たるなんて…

また、今回は後期展示を見終わったということで、図録(税込990円)を購入しましたよ。

この図録の中には、東山魁夷「平成度 悠紀地方風俗歌屏風」の右隻と左隻ももちろん収録。

だいぶ小さいサイズですが、右隻と左隻が並んだ状態の屏風を見ることができます。

特別展の記念におすすめの一冊ですよ^^

特別展は9月3日(日)まで開催中!

7月8日(土)から始まった特別展「皇室の名宝と秋田 ~三の丸尚蔵館 収蔵品展~」

前期展示も後期展示も大満足の展覧会でした。

皇室献上の祝いの品の展示が多いからなのか、観終わった後はどこか嬉しい気持ちになっていました。

長い自粛期間の後、初めて行ったこの展覧会、なんだか幸先が良い感じ^^

この展示が観られるのは9/3(日)まで。ご興味のある方はぜひ秋田県立近代美術館へ!

  • 展覧会 :特別展「皇室の名宝と秋田 ~三の丸尚蔵館 収蔵品展~」
  • 観覧料 :一般 1,200円、高・大学生 1,000円、中学生以下 無料
  • 開催期間:2023年7月8日(土) ~ 9月3日(日)
  • 休場日 :2023年8月3日(木)、4日(金) ※展示替のため
  • 開催場所:秋田県立近代美術館(秋田県横手市赤坂字富ヶ沢62-46)

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