雑記

芸術の秋、NDLイメージバンクで河童の妖怪絵を鑑賞する

雑記

時が経つものは早いものでもう11月。各地で紅葉が深まり、秋めいてきました。

紅葉を見に山にドライブに行きたい気持ちはあるのですが、岩手県でも熊の出没が増加中。

遭遇するのが恐ろしくて、不要不急の外出を自粛しています…。

そういうわけで、ここ最近は家で食欲の秋、芸術の秋を楽しんでいます。

そんな中はまり始めたのは、「NDLイメージバンク」というサービスを利用した浮世絵のオンライン鑑賞。

今回観たのは、「妖怪」のテーマでまとめられた浮世絵です。

ぬらりひょん、雪女など様々な妖怪の絵を家でゆっくり楽しむことができます。

その中でも、やっぱり岩手県に住んでいるからなのか?自然と注目してしまうのは、河童の妖怪絵でした。

※タイトル画像の出典:国立国会図書館「NDLイメージバンク」 (https://rnavi.ndl.go.jp/imagebank/)

国立国会図書館のオンライン展示

NDLとはNational Diet Library, Japanの略称で、日本一の蔵書数を誇る国立国会図書館(東京都千代田区永田町)のこと。

国立国会図書館では所蔵資料をデジタル化してオンラインで公開しており、何かとお世話になっています。

その中のサービスの一つ、NDLイメージバンクは国立国会図書館のオンライン展示です↓

浮世絵、雑誌、図書などのビジュアル資料がテーマ別でまとめられています。

ちなみに、著作権保護期間が満了した画像を扱っているので、申込不要で画像の転載が可能です。

今回私が鑑賞した資料のテーマは「妖怪」。

こんな恐ろしい絵もあれば、

鳥山石燕 画『百鬼夜行 3巻拾遺3巻 [1]』赤舌、出典:国立国会図書館「NDLイメージバンク」 (https://rnavi.ndl.go.jp/imagebank/)

こんなかわいらしい絵もあります。

『百鬼夜行絵巻』出典:国立国会図書館「NDLイメージバンク」 (https://rnavi.ndl.go.jp/imagebank/)

こういう妖怪の絵を見ていると、地元の青森ねぶたや弘前ねぶたで描かれる妖怪たちを思い出します。

おどろおどろしい妖怪が登場するんですが、製作者はきっとこういう浮世絵も研究しているんだと思うんですよね、ギョッとする怖さに既視感があります。

浮世絵が後世に与えた影響の大きさをしみじみ感じます。

鳥山石燕と月岡芳年が描いた河童

今回のテーマの中では、二点の河童の絵が展示されていました。

作者は、江戸時代に活躍した鳥山石燕、幕末から明治にかけて活躍した月岡芳年(画号は一魁斎芳年)です。

鳥山石燕『百鬼夜行 3巻拾遺3巻』河童

鳥山石燕 画『百鬼夜行 3巻拾遺3巻』河童、出典:国立国会図書館「NDLイメージバンク」 (https://rnavi.ndl.go.jp/imagebank/)

月岡芳年『和漢百物語 白藤源太』

一魁斎芳年 画『和漢百物語 白藤源太』、出典:国立国会図書館「NDLイメージバンク」 (https://rnavi.ndl.go.jp/imagebank/)

河童が描かれた箇所を拡大すると…↓

一魁斎芳年 画『和漢百物語 白藤源太』、出典:国立国会図書館「NDLイメージバンク」 (https://rnavi.ndl.go.jp/imagebank/)

先日のブログで河童の伝説が残る岩手県遠野市の道の駅に行ったときのことを書きましたが、そこで見たのはかわいい河童グッズたち。

一方、浮世絵の中の河童はなかなか不気味………どちらの絵からもヌメリ感が伝わってきて、体の模様が生々しい。

………いや、でもずっと見てたらかわいく見えるような気も?

NDLイメージバンクの展示ではないのですが、太田記念美術館ではこんな河童の絵もあるそうです↓

題名は『深川木場川童臭気に辟易』。人間から強烈なおなら攻撃を受けもだえる河童の様子を描いています。

この作品を描いたのは月岡芳年。『和漢百物語 白藤源太』では相撲をする河童を描いていますが、こちらの作品はかなりユーモラス。

人間の放屁攻撃を河童が本当に嫌がっているのに笑ってしまう…。

この月岡芳年の浮世絵二点を見ていると、河童はなんだか人間に近いというか、親近感を持てる妖怪に思えてきます。

妖怪絵で笑わされるのはちょっと予想外でした^^

 

今回私が観たのは妖怪絵がテーマでしたが、他にも美人画、版画や琳派など様々なテーマの資料がオンライン展示され、コラムも随時更新されています。

美術館に絵を観に行くのも貴重な経験ですが、様々なジャンルの絵をオンラインで知ることができるのも勉強になって助かります。

NDLイメージバンク、これからもお世話になりそうです。

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