2023年夏、秋田県仙北市にある田沢湖レイクリゾートへ足を運びました。
今回の旅には、ひとつ個人的な目的がありました。
それは、水野敬也さんの自己啓発小説『夢をかなえるゾウ0』で紹介されていた「合宿の旅」を、実際に自分で試してみること。
『夢をかなえるゾウ0』は、人気シリーズの“ゼロ”巻。
主人公は夢のないサラリーマン。そんな彼のもとに現れたのが、人の姿でゾウの頭を持つ神様・ガネーシャです。
ガネーシャは彼に本物の夢を見つけるための課題をいくつも出し、それには「合宿」が必要だと説きます。
物語はコメディタッチながら、日々の生き方を見直すヒントに満ちた一冊です。
私もこの本を読み、「旅をしながら、自分のことを見つめてみたい」と思うようになりました。
そうして選んだのが、秋田県仙北市にある田沢湖でした。
その初日の朝。まだ夜が明けきらぬ中、私は秋田駒ヶ岳の方向に向かってスタンバイ。
合宿中の課題の一つ、日の出を見ることを実践しようと考えたのです。
眠気と戦いながら、夜明けをじっと待ちました。
秋田駒ヶ岳と田沢湖高原の静けさ
宿泊先の田沢湖レイクリゾートは、田沢湖高原に位置し、秋田駒ヶ岳の麓にあります。
澄んだ空気と涼やかな風が心地よく、日中の暑さがまるで別世界のように思えました。
あたりが徐々に明るさを増していく中、やがて秋田駒ヶ岳の稜線からまばゆい光が差し込んできました。

午前5時30分、夜明けの瞬間
そして迎えた午前5時30分、夜明けのときが訪れました。
その瞬間、私は「自然に対して圧倒されるとはこういうことか」と、深い納得感を覚えました。
吸血鬼なら一瞬で焼かれてしまいそうな、強烈な朝日の光が、一気に世界を照らし出していくのです。

『夢をかなえるゾウ0』では、ガネーシャが「日の出を見る」課題の意義について、こう語る場面があります。
「この光を前にしたら、自分ちゅう存在が──自分の持つ悩みが──いかにちっぽけなもんか分かるやろ」
出典:『夢をかなえるゾウ0』(水野敬也著、文響社)
私にとっても、まさにその通りの体験となりました。

自然が人間に与えてくれること
太陽の光を浴びたことで、気持ちがすっと晴れるような感覚になり、朝食もいつも以上に美味しく感じられました。
実際、体調もすこぶる良好で、旅先でありがちな食欲が出ない朝とは無縁の一日になりました。
しかし、日が高くなるにつれて気温はみるみる上昇し、最終的には34度に。
太陽の偉大さを感じた直後、今度はその「容赦なさ」に恐怖を覚えるという、自然の二面性を味わうことにもなりました。
こうして旅の初日は、静かではありますが、私の内面に確かな変化をもたらしてくれたように思います。
高原の静けさの中、ただ太陽の昇る様子を見つめていた時間。それは、日常では得がたい、静かな贅沢でした。

今回の旅のヒントにした書籍『夢をかなえるゾウ0』はこちら。ご参考までに↓
- 宿泊場所:天然温泉 田沢湖レイクリゾート
- 住所 :秋田県仙北市田沢湖生保内下高野82−117
- 訪問時期:2023年7月