歴史を学ぶ

【岩手県北上市】展勝地に建てられた北上夜曲の碑

歴史を学ぶ

先日、岩手県北上市の展勝地レストハウスで西わらび入り蕎麦を買ったときのこと。

レストハウスを出て外を歩いていたら、とても立派な碑を見つけました。

その碑には、「北上夜曲」という文字が刻まれていました。

レストハウス脇の楽譜と歌詞の碑

レストハウスを出て右手の道を歩いていると、視界に入ってきたのが冒頭の碑。

この碑には、「北上夜曲」の作詞者、作曲者の自筆の歌詞楽譜が刻まれていました。歌詞の字がすごく立派です!

後ろを振り向くと、「北上夜曲メロディー操作盤」というボタンが。

なかなかの年季。

押すと北上夜曲のメロディーがその場に流れてきたのですが………私の知らないメロディーでした。

「北上夜曲」という歌があることは知っていたんですが、世代的に聞く機会がこれまでなかったんですよね。

なんだか悲しげな歌ということだけは理解できました。

碑の歌詞を見てみると、やっぱりせつない内容。

北上河原での初恋、恋人の女性との死別、そして最後に歌われる、生きる強い意志。

その後、YouTubeで美空ひばりさんが歌ったものを聴きましたが、さすがの歌唱力ということもあり、北上夜曲に聴き入ってしまいました。

当時10代の学生二人が作詞作曲

この北上夜曲について調べてみたら、流行するまでの経緯が興味深かったです。

なんと、もとは読み人知らずの歌だったんだそう↓(参考:北上市ホームページ、広報きたかみNo.494)

  • 昭和16年(1941)、「北上夜曲」が作られる
  • 後に作詞者の菊地規さんが教師になり、教え子たちに北上夜曲を広める
  • 以降、口から口へと密かに歌い継がれる
  • 昭和30年代、歌声喫茶ブームとともに大ヒット
  • 昭和36年(1961)、作者が名乗り出る

作られた当時の作詞者、作曲者の年齢を知って驚きました、なんと、お二人とも当時10代の学生さんだったんです!

作詞者の菊地規さんは当時18歳、作曲者の安藤睦夫さんは当時17歳(お二人とも既に故人)。

作曲者である安藤さんは旧制八戸中学校の学生さん。音楽を専門に学んでいたわけではありません。

安藤さんの叔父が菊地さんが通う水沢農学校の配属将校だったことから、このお二人の交流が始まったんだとか。

20年にも満たない人生、一体どんな日々を送っていたら、あのせつない歌詞とメロディーを作れるの…?

これは本当にびっくりしました^^;

北上夜曲とともに、このお二人の才能のすごさも語り継がれるんだろうなぁ^^

碑の背景で流れる美しい北上川

実際のところ、この北上夜曲の発祥の地は旧水沢市(現在の奥州市)、北上市ではありません。

広報きたかみNo.494によれば、「曲に歌われた風景が展勝地の北上川河畔を連想させる」ことから、この碑は北上市に建てられたんだそう。

確かに展勝地の北上川河畔は美しくて、時間を忘れて眺めていられます。

初夏の新緑が気持ちよかったです^^

この碑を見つけた日は晴天に恵まれたということもあり、北上川の水面がキラキラと光り輝いて、綺麗でした。

一級河川をこんなに近い距離で見たのは人生で初めてでした。

歌の発祥地である奥州市にも北上夜曲の碑があるらしく、そこから見える北上川の風景はどんなものなんだろうと気になっています。

いつかそこも訪れよう^^

 

  • 訪問場所:北上夜曲の碑(展勝地レストハウスを出てすぐ)
  • 住所  :岩手県北上市立花14地割21−1(展勝地レストハウス)
  • 訪問時期:2023年6月

コメント

タイトルとURLをコピーしました