昨日2月5日の産経新聞で、津島雄二氏のお別れの会が開かれた、という記事を見ました。
津島氏は元衆院議員で、選挙区は青森1区。
昨年10月に亡くなられ、先日都内のホテルでお別れ会が開かれたということです。
心よりお悔やみ申し上げます。
選挙区が青森の津島氏は青森出身の私にとってなじみ深い政治家です。
それだけではなくて、私が太宰治に関心を持つきっかけとなった人でした。
※タイトル画像の出典:国立国会図書館「近代日本人の肖像」 (https://www.ndl.go.jp/portrait/)
太宰治の娘婿になった東京の人
津島雄二氏が亡くなられたニュースは当時NHKの他、各メディアが報じました↓
私が津島氏の存在を知ったのは、10代後半くらいの頃だったと思います。
ニュースを観ていたら、「青森1区選出 津島派会長」の字幕付きで津島氏が紹介されていて。
「え、青森の政治家が派閥の会長?すごくない?」と思って観ていると、津島氏本人が登場。
そのとき、津島氏に青森っぽくない雰囲気があるように感じたんですよね。
(津島氏のアクセントに訛りを感じなかったからそういう印象を持ったと思うんですが、記憶は定かじゃありません)
「この人は青森の人?」と父に言うと、
東京の人だよ、東大卒で大蔵省出身のエリートよ。
それを聞いた私、「なんで青森から出馬してるの?」と質問。
この人は太宰治の娘婿なんだよ。
※太宰治の本名は津島修治
その当時の私は太宰治の背景を知らなかったため、父の言わんとすることが理解できず。
そんな私に、父は面倒くさそうにこう返答。
太宰の実家は裕福で、政治家一家なんだよ。
これ、当時の私にとって意外だったんですよね、太宰の破滅的な人生と、実家が裕福という事実が結びつかなくて。
こういう経緯があって、私は太宰治の作品よりも先に太宰治の実家に興味を持ちました。
太宰治の父と兄も政治家だった
その太宰治の実家なんですが、太宰治記念館「斜陽館」(青森県五所川原市)として公開されています。
青森県の有名観光スポットの一つであり、非常に豪華な作りの建物です↓
津島氏のことを知ってから割とすぐに斜陽館に行ったんですが、本当に広くて豪華で………。
太宰の父、津島源右衛門は大地主で国会議員。その財力がいかに大きかったか、理解されます。
また、太宰の兄の津島文治も政治家となり、青森県知事、国会議員を歴任しました。
太宰治の兄という大変な役割
太宰の実家のことを知ってから太宰作品を読み始めましたが、当時の私はドはまりしました。
以前ブログに書いた通り、読み手を共感させ、引き込んでいく文章はすごいと思います。
その一方で思うのは、太宰治の兄、文治はどれほど大変だったろうか、ということ。
地元の名士で政治家でもあった文治にとって、弟が起こす諸問題の解決は困難だったと思います。
文治はどう対応すればよかったのか、と想像することもありますが………
太宰の衝動はどうやっても誰にも止められるものではなかったんでしょうね。
あのとき、ニュースで津島雄二氏の映像を観なかったら、太宰治の実家に興味を持つことはなかったと思います。
太宰作品を読むことすらしなかったかもしれません。
いろんなことが興味関心のきっかけになるんだなぁとしみじみ昔を思い出しました。
<参考資料>
- 産経ニュース ウェブサイト 「津島雄二氏お別れの会 「税と社会保障に一生」厚相や自民税制調査会長を歴任」(2024/2/5)(https://www.sankei.com/article/20240205-E572HQ3MSROXBLRCF5A65IWUNE/)
コメント